トルコライスとは、主に長崎県の長崎市を中心としたご当地グルメです。
一皿に多種のおかずが盛りつけられた洋風料理ですが、「トルコ」と名が付くのに「長崎」?と疑問に思う人も多いですよね!
ここでは「トルコライス」の発祥の秘密や、長崎が「ご当地」と言われる理由を見ていきましょう!
【なぜ?】トルコライスが長崎ご当地の理由6選!
「大人のお子さまランチ」と表現されることの多い「トルコライス」。
豚カツ、ピラフ、スパゲッティが一つの皿にのっていることを基本となっていることが多いようです。
長崎市のご当地グルメとして有名ですが実は、関西地方や横浜、稚内など、長崎以外の地域にも「トルコライス」という内容の異なるメニューが存在しています。
トルコライスは1950年代に誕生したとされていますが、名前の由来も、メニューの内容も、はっきりしたことは分かっていないそうです。
その中でもいくつか「トルコライス」の発祥とされる理由がありますので、見てみましょう。
(※Wikipedia「トルコライス」より抜粋)
その1,植原一郎説
発祥の店と言われるビストロ・ボルドー店主の父、植原一郎さんは兵庫県姫路市の出身で外国船の船員でした。
戦後、神戸の米軍将校クラブ「シルバーダラ」に勤めていた頃、クラブに出入りする日本人女性や従業員のために冷やご飯で焼き飯を作りましたが、外国人のクラブのため「焼き飯」と言えず、トルコのピラウに似せたとして「トルコ風ライス」と呼んだそうです。
実際にトルコのサフランピラフに似せるためにサフランを用いましたが、香りが気になる、と不評。代わりに行き着いたのがカレー粉であったと言います。
トンカツやスパゲティは、お客さんにおかずを求められて付けたそう。
植原さんはその後、奥様の故郷である長崎に移りレストランマルゼンのシェフ松原と知り合います。
松原さんが入院して助っ人として入った際に、経営者から相談を受けた際にトルコ風ライスを紹介し、松原が退院して復帰した後に初めてメニューに載ったことから、長崎に広まったとする説は有望な説の一つです。
その2,レストラントルコ説
レストラントルコで出していたメニューが店名からトルコライスと呼ばれ、他の店にも広がったとする説。
現在トルコライスで有名な喫茶店「ツル茶ん」がこの説を提唱しており、二代目店主がレストラントルコの開店特別メニューをヒントにしてメニューに加えたとしてます。
残念ながらレストラントルコは5年ほどで廃業してしまったそうです。
その3,松原三代治説
レストランマルゼンのシェフだった松原三代治さんがつくり、命名したとする説。
女性の晴れ着姿をきっかけに上半身をライス、帯をカツ、着物の派手な柄の裾をスパゲティに見立てたとされています。
その4,地理的命名説
トルコライスを構成するそれぞれの料理をどこかの国・地域にあてはめ、その中間にあるのがトルコだからとする説。
2000年代半ば頃から、二つをつなぐ「架け橋」と表現されることもるようです。
- チャーハンが中国で、スパゲティがイタリア。
- トルコが東洋と西洋にまたがる国。
- 中東発祥のピラフがアジアで、イタリア料理のスパゲティがヨーロッパ。
- カレーがインドで、豚カツが中国、スパゲティがイタリア。
など、どの料理をどこに例えるかにも諸説あり、とても面白いですよね。
また、「トルコの地形説」として、ピラフをトルコのアナトリア高原、トンカツを多雨留守山脈、スパゲティをエーゲ海の海岸線に見立てた説もあり、「並べ方が、トルコの地形に似ている」という説も挙がっていてるようで、どれも伝聞に近いそうですが、思わず納得してしまいそうな内容です!
その5,トリコロール説
「トリコロール」(三色旗または店名)が転訛してトルコとなった説。
この説も伝聞の色が濃いですが、3つの食材をフランスの国旗の3色に見立てています。
また、同じ「トリコロール」説でもトルコライスを最初にメニューに載せたのが「トリコロール」という店だったから、という説も紹介されているようです。
その6,「よくわからない料理」説
トルコが当時あまり知られていなかったとして、「よくわからない料理」という意味に由来するという説。
また、近年では長崎を紹介する旅番組で「ご当地グルメ」として紹介されたり、漫画「クッキンギパパ」や旅行ガイドの「るるぶ長崎」や「まっぷる長崎」で2010年代にほぼ毎年のようにトルコライスが特集されたりしているようです。
県外でも長崎出身の料理人が開いた店で「トルコライス」を提供したり、トルコライスを知って店のメニューに加えたりされるるなど、全国的な認知度が年々上がっているみたいですね!
トルコライス発祥の秘密やどんなメニューか解説!
さて、長崎での「トルコライス」について見てきましたが、実際のトルコ料理との違いはあるのでしょうか?
実際のトルコ料理とは別物!
「トルコ」の名を冠してはいますが、実はトルコ料理に同じものは、ありません!
また、トルコはイスラム圏であるため、多くの場合、豚肉食は忌避されています。
以前、日本経済新聞の連載「偏食アカデミー」内では、トルコ料理店マネージャーに「トルコライス」について質問したところ、
「トルコの人にとって豚肉は宗教上食べるのはおろか、見るのも嫌なものなんです」
というコメントが返ってきた、という記事が掲載されたそうです。
「トルコライス」は日本発祥の料理だったのですね!
似たような料理では、トルコ料理の「ケバブ」ではピラフと肉・サラダの組み合わせを1枚の皿に盛る、という料理で、トルコライスに似ているといわれています。
「トルコライス」メニューの構成もさまざま!
長崎で提供される多くの「トルコライス」の構成は、
- 豚カツ
- ピラフ
- スパゲッティ
の3部構成。
ピラフは当初、ドライカレー(カレーチャーハン、カレーピラフ)が主流だったものや、あるいはチャーハンであることもあったそうです。
スパゲティはナポリタンが多く、上からデミグラスソースやカレーソースなどがかけられることが特徴的です。
サラダも同じお皿に乗せられていたり、または別皿で付いていたり、提供するお店によって異なることが多いようです。
≪ご当地「長崎」のトルコライスいろいろ≫
どのトルコライスも美味しそうですね!
また、提供される地域によってもその内容はかなり違いがあるようです。
≪横浜・川崎地区のトルコライス≫
ソースがかかっていないタイプですね!
≪北海道・稚内≫
ライスにチキンカツ、そしてカレールウとハヤシソースを半々にかけたものが稚内のトルコライスの特徴のようです。
店によってはカツが豚カツだったり、ご飯はチキンライスだったりと、バラエティーに富んでいるようで、元祖とされる店のトルコライスは長崎のトルコライスが元になっているとも言われているそうですよ!
まとめ
ここでは「トルコライス」の発祥の秘密や、長崎が「ご当地」と言われる理由を見てみました。
なぜ長崎のご当地メニューとして定着したのかには、いくつかの理由があり、また、全国の他の地域でも「トルコライス」と呼ばれるメニューが存在することも分かりました。
「大人のお子さまランチ」と形容されることも多い「トルコライス」。
知れば知るほど奥が深く、大人から子どもまで楽しめる「夢」の詰まったメニューであることに間違いなさそうです!
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