映画「眺めのいい部屋」や「ドラゴン・タトゥーの女」など数々の作品に出演した、英俳優ジュリアン・サンズさん(65歳)の死亡が2023年6月27日、確認されたということです。
死亡確認までの経緯や、ジュリアン・サンズさんについて見ていきましょう。
死亡確認された遺体は米カリフォルニア州サンガブリエル山地で発見
カリフォルニア州・サンバーナーディーノ郡の保安局は、現地時間27日に、先日ボールディ山で発見された遺体が、行方不明になっていたイギリス人俳優のジュリアン・サンズさん(65)のものであることを確認したと発表しました。
この遺体は、ハイキング中の一般人が24日の朝に発見し、保安局に通報されたものです。
保安局は現場に急行し、遺体を確認した後、検視局に搬送して身元の特定を行っていましたが、遺体の身元確認が終了し、北ハリウッド在住のジュリアン・サンズさん(65)と確定したそうです。死因は今後の検査結果を待ち、引き続き調査中だということです。
今年1月、南カリフォルニアの雪深いボールディ山でハイキング中に行方不明になったイギリス人俳優ジュリアン・サンズさん。
地元メディアや米USウィークリー誌によると、ロサンゼルスの北東に位置するサン・ガブリエル山脈で一番高い山マウント・バルディにハイキングに出かけたまま戻らないと家族から通報があったといいます。
当時、地元警察の発表によると、山から夫が戻ってこないと妻からの13日に通報を受け、捜索を始めたものの手がかりは見つからず、安否は不明となっていました。また、天候不良のため14日に地上からの捜索は中断され、レスキュー隊はヘリコプターやドローンを使っての捜索を続けたそうです。
スキー場もあるマウント・バルディは、年末から南カリフォルニアを襲った嵐の影響で吹雪や悪天候が続き、非常に危険な状態にあると警告されており、この4週間の間に周辺地域で14の救助要請があったと地元メディアは伝えていました。立ち往生したハイカーや負傷した登山客らが救出されたうちの2人が生還できず命を落としており、その中には熟練のハイカーも含まれていたといいます。
ジュリアン・サンズさんは現在はノースハリウッドで妻と2人の子どもと暮らしており、普段から登山やハイキングを楽しんでいたといいます。
英俳優サミュエル・ウェストさんなど多くの仕事仲間から無事を祈るメッセージが寄せられていました。
カリフォルニア州・サンバーナーディーノ郡の保安局は現地時間6月19日、捜索の最新情報を発表しました。17日の捜索は80名以上の人員、2機のヘリコプターにドローンも投入して行われたということでしたが、成果はなかったそうです。
現在は暖かい気候になっているものの、山の急斜面や渓谷には10数フィートの雪と氷が残り、いまだアクセスできないエリアもあるということ中での、今回の発見となりました。
サンズさんの捜索は1月からこれまでに8回行われており、捜索救助ボランティアが費やした時間は500時間以上に及んでいたそうです。
今回の遺体発見に先立ち、サンズさんの家族は今月半ば、「ジュリアンを見つけるため、疲れ知らずで努力してくれている捜索隊とコーディネーター」に感謝を表明する声明を発表していました。
「素晴らしい父親で、夫で、探検家で、自然界と芸術の愛好家で、独創的で協力的な表現者であるジュリアンとの輝かしい思い出を、私たちは胸に抱き続けている」と、家族は述べていたそうです。
兄のニック・サンズさんは弟の行方が分からなくなった今年1月、「もうお別れは言った」、「彼がいなくなったことを受け止めて、自分としてはそうやって対応している」とのコメントしていたそうです。
近年はハイキングに情熱を燃やしていたサンズさん。
悲しい結末に多くの人が心を痛めることでしょう。
英俳優ジュリアン・サンズさんの略歴と代表作
ジュリアン・サンズさんは1958年1月4日生まれ、ヨークシャー州出身のイギリス人俳優です。
1980年代の初めにデビューし、カンボジア内戦を描いた「キリング・フィールド」(1984年)あたりから注目されるようになりました。
1986年の「眺めのいい部屋」では主人公が思いを寄せる、型破りな青年ジョージを演じ、美形英国俳優として人気を集めました。
また、1990年中頃には日本でも「ホンダ買うボーイ(“Honda, Cowboy.”)」のキャッチコピーのホンダのプリモ店・ベルノ店のCMに出演してましたね。
その他の映画の代表作として「ワーロック」、「ボクシング・ヘレナ」、「リービング・ラスベガス」、「ドラゴン・タトゥーの女」、「オーシャンズ13」などがあります。
TVドラマにも多く出演しており、「24₋TWENTY FOUR」シリーズや、「GOTHAM(ゴッサム)」「BLACKLIST(ブラックリスト)」などにも出演していました。
多数の作品で私たちを魅了してきたジュリアン・サンズさん。
そんな作品が、この先も生き続けることを心よりお祈りしたいと思います。
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